さて、ここは『スターオーシャンを』愛する男として 『スターオーシャン』について書かねばなりません。 あ、当然のことながらSFCの1です。  以下の文章はスターオーシャンの設定等を自分なりに もう少し掘り下げてみようということを目的に書いています。 ストーリーを自分なりに整理する、という意味合いが非常に強いので これが公式設定ではありません。 また、準公式(いわゆるファンの間で当然とされていること)からも 大きく逸脱している可能性もありますが、ここは主観を楽しむ場所なので…。 ■時代背景 地球人が宇宙に出てからの話です。 地球を中心として宇宙で連邦政府を形成しています。 やや、想像が入りますが、この地球連邦政府は 同じような文明レベルにある星と接触しながら 宇宙の探索、および秩序を守るルール作り、 ひいては宇宙がよりよい発展を遂げることに専念しているのでしょう。 宇宙の脅威となりえるような行動に対して話し合ったり、 時には軍事的介入によってこれを行っていると思われます。 一方で接触する文明度を誇らない星に対しては非介入とするルールを持っています。  この地球連邦政府とその敵対勢力に加えて未発達の惑星ロークを通じて関連する、 これがこのテレビゲームの中核のストーリーです。  つまりは、『スターオーシャン』(星の海)と名乗っておきながら 登場する惑星は「地球」、「ローク」、「ファーゲット」、「ストリーム」、「レゾニア」、 そして「イセ」(冒頭で爆破される星)、この6つしかありません。 実質的に行動可能なのは2つの星だけです。 基本的には時代的な世界観の変化を伴う移動(現代ローク→過去ローク→ファーゲット)であり、 (やはり)非常に『テイルズオブファンタジア』に似ています。 好意的に解釈すると、 星の海の中にある小さな星がもたらす銀河的な影響、というところでしょうか。 ■ストーリー  ある惑星がローク人の特殊な血液を用いた兵器開発を行うために ロークにウイルスを放って人々が石化するという奇病が流行った。 親友も石化してしまい、主人公ラティクスとその仲間は親友、 ひいては惑星ロークを救うために過去のロークに遡って ウイルスの宿主を入手する。  そして宿主を手に入れた後、ウイルスを放った元凶を突き止めた 地球連邦政府は再び彼らを集め、元凶の暗殺を行う。  中略すればこの程度ですが、実際のストーリーでは説明不足の感が強すぎます。 アスモデウスはなぜ特殊な血液を持ったただひとつの存在なのか、ということを差し置いても ファーゲットがアスモデウスが特殊な血液を持っていることを知っている理由や (魔界の門は簡単には開けない故に、魔界に対して接触を持つことは 「真実の瞳」を持っている人間以外では非常に難しいでしょう。) ローク人とアスモデウスのウイルスが起こす化学変化についての情報も必要でしょう。 また、「真実の瞳」を持たないファーゲット人がいかにして魔界に侵入することができたか、 これも疑問点に浮上します。  個人的には疑問点を踏まえた上での想像を行います。 タイムパラドックスが起こらなかった場合(ラティクスたちが過去に戻らなかった)の 戦いはどうだったのでしょうか。 ラティクス達の時代でも人間が生き延びていることから、 この戦いは人間側(ローク人側)が勝利した、ということを意味していることは明らかです。 つまりはラティクスたちと同じように行動した、つまりはストーリーに準じた形で 何者か(話がややこしくなるのでこれをラティクス達とは考えたくありません)が 魔王アスモデウスを討ち取ったことは容易に想像できます。  ここで、アストラルの騎士、ハイランダー達は魔物の首を持って帰るという風習があることから、 少なくともハイランダーを含めたパーティーで魔王を討ち取ったと仮定すると、 魔王の首を持って帰ったことになります。 それと前後した時にファーゲット人の学者が偶然この星にたどり着いたのです。 「星の船」はどう考えても安全に着陸したというよりも、 単に不時着したと見て取れるような在り方をしています。 その時に魔王の首に触れたパーティーの人間たちが石化したのを見た、とすると この不思議な化学反応に関心を持ち、それをファーゲットに持ち帰って研究した。 その研究が400年の時を経て実りに至ったと考えられます。 ■「星の船」  この過程においても、大きな問題は「星の船」が存在することです。 この船、ラティクス達の時代でも残っているんです。 ファーゲット人がここから脱出しない限り、ウイルスをファーゲットに持ち帰ることができません。 また、少なくとも何らかの理由が存在したためにあの宇宙船は使わなかったことがあげられます。 いかにして持ち帰ったかについてはある程度選択肢があります。 1.空間転移を行う力を持っていた。 2.通信装置を用いて救援を要請した。 1.冒頭で地球連邦が用いているものは長距離に耐えうるとは考えられません。 そもそも、宇宙船があの状況で機材が無事だとは思えません。 2.通信手段、脱出手段を模索するために散策していたら、 偶然アスモデウスの首とローク人の関係を発見した、 という形の方が個人的にはしっくりきます。 この理論に付け加えることは後述します。 各世界観 ■現在のローク  行動可能な場所はクラトスの町とホットの町だけなので、あまり雰囲気は掴めませんが、 過去のロークと比較してもクラトスが発展した、ということ以外に変化がありません。 比較的技術進歩が緩やかな時代、ということになるでしょう。 ヨーロッパの産業革命以前、中世のようなつくりがモチーフになっている印象があります。 また国家の形態も現在のロークでは全くわかりません。 ■ホット、クールの町  奇妙なのことに400年の間で建物はほとんど変化がない一方で 名前だけ変更されていることです。 ■過去のローク  確認しうる国家はムーア、アストラル、ヴァン・イ・イル、シルヴァラントの4カ国です。 前2者がそれぞれひとつずつ大陸を統治している一方で、後2者はひとつの大陸を 2カ国で分かれて統治しています。また、それぞれの国が象徴しているのが 順番に春夏秋冬(気候等の解釈が大きいですが)と考えています。 これら4ヶ国でムーア神殿の秘密を共有しており、全てを知ったもののみが 「真実の瞳」を手にすることができる、というものになっています。 ■真実の瞳  不思議なのが、なぜわざわざ分担して「真実の瞳」を守り続けたか、です。 「真実の瞳」はムー大陸の人間がロークに転移させられてきて、 地球に戻るための手段、として開発されてきたからです。 しかも、それは異世界の住人たちを招き入れる失敗作でしかなかったのです。 そして、ロークではその技術を封印するかのような生活が送られています。  個人的な解釈では、「真実の瞳」の開発が成功した一方で これが(たった一人の老人の言葉でしか語られませんが)魔大戦を 引き起こしてしまったのでしょう。 その過ちゆえにムーア神殿最深部に封印をされていたのでしょう。 一方でムーアの末裔でもあるローク人がいつの日か もうひとつの故郷である地球に帰る手段(ひいては、そこにつながる技術)を 残しておきたかったのでしょう。 しかし、その判断をするにはルーンの文明レベルでは手に余るものがあり、 それができるようになるまでは自分たちで文明を発展させるべきである、 という考えがあったのではないのでしょうか。 それゆえに王家という非常に限られた存在が、 全てを結束した場合にのみその封印が解かれる、 非常時以外は使用してはならないものとして認識していたのでしょう。 4王家がどこまで詳細な知識を持っていたかはよくわからないのですが、 ヴァン国王の言によれば握りこぶし大で時空間を自由に操る力を持つ、 ということは知っていたようです。 ■ファーゲット  ロークとは別にファーゲットに飛ばされたムーア人もいました。 資源の乏しいこの国では科学を発達させて生き延びる以外には方法がありませんでした。 それゆえに苦しい生活を長年にわたり余儀なくされたのでしょう。 遺伝子操作なども転移した当初は許されていたように思えます。 ある程度の科学力を有するようになり、生活苦がなくなってからはそれが禁じられたのでしょう。 (遺伝子操作の技術はあっても、禁止していたのですから)。 そのような時に地球連邦のことを知り、 影からレゾニアを操り地球へ復讐するという考えを持った一部の人間が出現し、 彼らの技術力を結集させてジエ・リヴォースを誕生させたのです。 ちなみに、ファーゲットでは大多数の人間が地球連邦との共存を望んでいるようです。  また、この惑星の技術力は地球のそれよりも一歩リードしていると考えられます。 というのも、ファーゲットではムー大陸の技術がそのまま受け継がれているにもかかわらず、 地球ではムー大陸は消滅した時に技術も失われ、 私たちが現代いるような世界を経て技術を進歩させた、という時間的な関係からです。 当然地球も人口の多さや連邦の発足によって技術革新のスピードは向上したと考えられます。 ■ムーア人の技術レベル  彼らの技術力を測る指標として登場するのは「真実の瞳」と「刃なき剣」でしょう。 前者はすでに語ったとして、ここは後者について語ります。 というのも、この剣は連邦でも見たことがないほどの 高出力を可能にしているレーザーソードなのです。 紋章技術やローク特有の鉱物がそれを可能にしている可能性も否めませんが、 ムーアの技術だけでそれだけの高出力を扱う技術には達していた、ということが言えます。 ファーゲットがどこに重点を置いて開発を進めていたのかはわかりませんが、 この程度の兵器なら作ることも可能だったのではないのでしょうか。  つまりは、地球連邦の人間が武装して行ったとしても この技術に太刀打ちできるとは考えがたいです。 そこで私として用意して欲しかったイベントが、 ファーゲットのレジスタンスに救出された時に一度町へ戻り、 そこで彼らが持ちえる技術とロークの紋章力を併せ持った武器を使って欲しかったのです。 「フォースソード」がそれに値した、と言われればそれまでなのですが、 個人的にはこの技術的な雲泥の差を埋めるための“何か”が欲しかったです。 メモリはもうギリギリだったと思いますけど。 ■ジエ・リヴォース  正直、知りすぎです。なんでこんなに知っているのだろうか、と。 ローク人とファーゲット人は元を正せばムーア人であること、 ロークのムーア人は絶滅していること、 マーヴェルがムーア人であることを一目で見抜いたこと。 初出の情報がこれでもかといわんばかりに出てきます。  これらの事実を知るためするべきことは、 1.異空間に飛ばされた際にロークとファーゲットに分かれて飛んだことを確認する。 2.事後にファーゲット人がロークに赴き、パージ神殿にある情報を確認する。  この2点に集約されると思います。 第一の可能性はほとんどないでしょう。つまりは第2の可能性が非常に高いのです。 こうなってくると、たまたま不時着した星の船に登場していたファーゲット人が アスモデウスからロークを救った勇者のパーティーに参加していた可能性が浮上します。  それゆえにこの情報を持ち帰った彼らが後に復讐を思いつくのです。 血を分けたが平和な暮らしをしていたローク人を利用して、 栄華を極めた地球連邦を滅ぼすことを。 こう考えるとストーリーもしっくり来ると思います。  その他の謎はファーゲット人がパージ神殿で情報収集できたからでしょう。 ムーア人の特徴は自分たちと同じである(ファーゲットにはおそらく先住民族が存在しなかった)、 ロークのムーア人はルーンたちの紋章技術を応用するだけでなく、 混血が進み純粋なムーア人は絶滅したと考えられます。 ■登場する人種  大まかな家系図は以下のようになるでしょう。 ムーア人→→そのまま→→→→地球人、ファーゲット人(遺伝子操作を途中で受けている?)  ↓  →→→→→混血→→→→→→ローク人(フェルプール、フェザーフォルク等多岐に渡る)  ↑ ルーン ■多種多様なローク人     これはルーンの形態が非常に多かったのかもしれません。 パージ神殿でうかがい知れるその姿でも3色存在し、 同じ格好をしていても同じ種族だとは思えません。 その形態が多岐に渡ったために現在のローク人も 多種多様な存在を誇っているのではないのでしょうか。 そして彼らの主な生息場所(フェルプールはムーア大陸、 ハイランダーはアストラルなど)はその場所を代表するルーンが 好んで住んだ場所ではないかと考えます。 現在では確認できるルーンはパージ神殿に3人いるだけ、となっていますが。 ■フェルプール  ラティクス、ドーン、ミリーがこれに該当します。 猫と人間の混血と思って間違いはないのでしょうか。 ムーア大陸出身の人間が多く存在します。 ■ハイランダー  シウス、アシュレイ、フィアが該当すると思います。 犬と人間の混血でしょうか。好戦的なイメージがあります。 アストラル出身の人間が多く該当します。 以上の二つの人種がロークでは圧倒的多数を占めていると思います。 というのも、他の種族は総じて少数派、という説明が多いからです。 ■フェザーフォルク  ヨシュアが該当します。有翼種族です。 鳥と人間の混血でしょう。 稀な存在で山奥深くでひっそりと生活しているようです。 シルヴァラント王国で生活しているイメージがありますが、 確認は取れません。ヴァンの山奥という説も考えられます。 ■リカントロープ  ゲーム中を見渡してもティニーク以外の存在が見受けられません。 狼と人間の混血と思われます。 覇王によると特殊なウイルスによる影響で 本人の意思とは関係なく獣人化することらしいですが、 個人的には戦闘で見受けられる変化から、 興奮すると獣人化すると考えています。 この種族も非常にレアな存在といえるでしょう。  よくわからないのが、ウイルスの影響だとか本人の意思を無視して、 といったくだり。どう考えても戦闘中に主に変化するようであり (シルヴァラントのPA中には獣人化していますけど)、 感情の抑揚が獣人化に作用すると考えるのが自然でしょう。  この“呪われた血”に該当するようなイベント、 もしくはキャラクターというのがこの作品では見受けられません。 想像してエピソードを加えるとしたら以下のように考えています。 魔大戦の時に特殊なウイルスが流れ込んできた、ということもできるでしょう。 多くの人間がそのウイルスによって魔物化していく中で、 一部の胎児がそのウイルスに対して奇跡的に抵抗力を持ち、 そのウイルスで魔物化するには至らなかった。 しかし、病を完全に根治するには至らず、 ウイルスと共存する形になってしまった。 ウイルスの感染力は失われたが、 獣人化の十字架を背負うこととなった。  何の脈絡もないウイルスに対して意味を与えるのは難しいですね。 ■レッサーフェルプール  ペリシーがこれに該当しますが、より猫に近いフェルプールということで、 猫の血がフェルプールに比べて強い、というだけのような気がします。 覇王によるとフェルプールの先祖に当たる種族のようです。 タイムスリップでもしたのか、どこか閉鎖された環境にでもいたのでしょうか。 このように猫耳を持った種族も稀な存在のようです。 ■ヒューマン  イリアとロニキスが該当します。 おそらくムーア人と同じと考えて差し支えないと思います。 地球における始祖は同じところをたどります。 ■ムーア人  純粋なムーア人はマーヴェルだけのようです。 マーヴェルもやや曖昧な秘密がありますが、これは後述します。 ■ファーゲット人  以上の3種はほとんど同じ人種(=地球人)と捕らえています。 これにはレジスタンスの二人が該当します。 ジエ・リヴォースは遺伝子操作によって生まれた人間なので 厳密に言えば該当しませんが、派生的には当てはまるといえるでしょう。 ■魔王アスモデウス  そして、全くわからないのが魔王アスモデウスです。 強大な科学力を持ち、自由にゲートを開く力を持っています。 その上でロークを滅ぼそうとしています。 技術力の存在理由も、目的意識も、ウイルスを持っている理由も全くわかりません。  そこで、私の得意の(不得意かも)想像力で補ってみます。 大胆な仮説ですが、彼もまた血筋を追っていくとムーア人につながるというのはどうでしょう。  「真実の瞳」を開発することに成功したムーア人が魔界の扉を開いてしまった。 その時に魔物たちを退けたものの一部の研究者が魔界に取り残されてしまった。 その研究者は「真実の瞳」のような空間転移装置を開発したが、 そのまま帰っていっても復讐を果たすことはできない。 仲間を置き去りにした恨みを晴らすべく十分に時間をかけた。 魔物たちの生態を研究し、魔物たちを育成し、かつての仲間の子孫に 復讐することを考えたのだ。  彼らが仲間達に置き去りにされた理由に奇病が存在した。 ムーア人は石化はしないものの、症状の重い病であった。 この病に打ち勝つために自らの抵抗力を強める必要があった。 魔物たちの遺伝子研究を進め、そこから開発されたのがウイルス自体が非常に 素早い変化を起こすようなウイルスを開発した。 このようなウイルスであればその他のウイルスに対する免疫となる。 自らの遺伝子操作を繰り返し最終的には自分がウイルスの宿主となることに成功したのだった。 そして準備万端に整った時、すなわち過去のロークの時代に復讐を始めたのだ。  こう考えると整合性が出てくると個人的には思えます。 ただ、復讐ばかりが先行しすぎているちょっと嫌な物語になってきます。 でも、そうでもしないと魔物の生産を行って侵攻したり、 大量破壊兵器を考えたりなんかしないと思います。 ■魔物  魔物は時空研究所を見ればわかるように培養液の中で生産されています。 つまりはこの研究所の所長らしき人物であるアスモデウスが 魔物たちを生産したとみて間違いないでしょう。  しかし、全ての魔物がアスモデウスによって生産されているとも思えません。 過去に遡りますが、魔大戦の時にロークに出てきてしまった魔物が 一部存在するのでしょう。それが野生化した姿、これこそが魔物でしょう。 つまりはそもそもロークに魔物は存在しなかったと仮定することで 「真実の瞳」の功罪が出てきます。  アスモデウス直属の魔物(リーダークラスの魔物)は言語を解したり、 フィアに化けて「刃なき剣」の入手を目論んだりと 人間と同等の知能をうかがわせるような行動を見せます。 一方でフェルウォームやリッフィバニーといった単純な行動をとる魔物も存在します。 時空研究所で知性のかけらも感じられないゲレル系が生産されていることから やや説得力には欠けますが、個人的には「真実の瞳」に功罪を求めたいです。 逆にゲレル系は石化を発展させるためにも生産されているのかもしれませんけど。 また、魔物の生産にリカントロープが持っているウイルスを利用する、 という考え方も面白いのかもしれません。 ■